薄 里美さん
SATOMI SUSUKI
- ご所属
- 福岡市立城香中学校
- 参加コース
- 初任コース(2020年度)
講師育成コース(2022年度)
今回インタビューに応じていただいた薄里美さんは、福岡市東エリアの拠点校である福岡市立城香中学校で日本語指導担当教諭として勤務していらっしゃいます。
薄さんが参加しようと思われた「講師育成コース」についてどのように考えていらっしゃるのか、うかがいました。
- 福岡市の背景や城香中学校の日本語指導
- 薄さんが企画・運営している研修
- 薄さんの課題意識について
- 「初任コース」と「講師育成コース」の両方に参加すること
- 今後の教育・支援活動において、研修をどのように活かすかについて
福岡市の背景や城香中学校の日本語指導について、教えていただきたいです。
薄福岡市には日本語指導担当がいる中学校として配置校が5校、拠点校が4校あります(重複あり)。私は拠点校担当として、日本語指導担当教員が未配置校の日本語指導が必要な生徒に通級もしくは巡回指導を行っています。福岡市の外国の方の国籍は中国、韓国、ベトナム、ネパールの順で多いのですが、東区にはマスジド(モスク)があるため、上位4か国以外の国の方も他の区に比べて多いです。
この研修に参加しようと思ったのはどうしてですか。
薄現在、研修の企画や運営を行っていますが、様々な課題があります。例えば、研修が長年行われていることや、経験年数の差に対応できていないことです。講師育成コースで研修の構成や研修方法の在り方について学び、活動に活かしたいです。
どのような研修を行っているのでしょうか。市教委主催の教員研修や校内の研修などいろいろありますよね。
薄福岡市JSL日本語指導教育研究会で毎月1回研修を行っています。この会には、日本語指導を担当している教員や大学の研究者等が集まって、研究を深めています。
薄さんが課題と思われた「研修が長年行われていること」や「経験年数の差に対応できていないこと」についてもう少しくわしくお話いただけますか。薄さんがそのような課題意識をお持ちになるきっかけは何だったのでしょう。
薄日本語担当教員の研修なので、経験の長い方と初めて日本語担当になられる方が混在しています。そのため、参加する皆さんが満足できる研修はなかなか難しいと感じていました。しかし、2年前に文化庁の子ども初任コースを受けた経験で考えが変わりました。初任コースの研修で、参加者の方は立場も経験も様々でしたが、参加者一人一人が充実した学びをしているという実感がありました。 それで、この研修の構成や研修方法の在り方について知りたいと思いました。
講義を通して身につけたい知見や、参考にしたいと考えていることは。
薄他地域での状況や情報をたくさん得たいと思っていますが、特に受講者の方や講師の方の語りから得られるものを大事にしたいと思います。文献や短時間の話では捉えられないものの1つではないかと思います。誰が、どのようなことを、なぜ話したかという観点を持って、語りから分かることを考えていきたいです。
「初任コース」にもご参加だったのですね。 初任コース受講時とは「こういうことがしたい・知見を得たい」は変わりましたか。
薄初任コースに参加した時の動機は「①子どもたちが学ぶ力を伸ばす日本語教育を考えたい、②社会との協働を実現するための知識・力を身につけたい」と考えていました。とくに②の協働に関しては、どうしていいか分からないし、自分にあまりできるとは思っていませんでした。しかし、それを実践されている九州沖縄のみなさんと研修を行い、繋がりを持つうちに、自分の中の協働に対して尻込みしていた気持ちが変わったことが大きな成果でした。その経験が、講師コースの参加の動機の1つ「さらに違う地域の方と繋がり、日本語教育や日本語教師の研修について考えたい。」になったと思います。
研修がオンラインで進められることについてはどうですか。
薄まずは自分で課題について深く考えたいと思います。初任コースの時とは違う角度の問いを自分で立てていこうと考えています。スクーリングでは研修の流れや初任コースの方の発言と講師の方の様子などをしっかり見聞きし、研修でなにが起きているのか、どんな学びがあったのか捉えることができるようになりたいです。スクーリング後の育成コースセッションやSlackでみなさんと協働することで、理解が深いものになると期待しています。
最後に、ご自身の教育活動・支援活動などで研修を今後どのように活かしたいか、抱負を教えてください。
薄研修の企画、運営をする上でこの研修で学んだことを活かし、担当教員にとって必要な研修を行いたいです。また、担当以外の教員に対する研修や、高校とのケース会議など外部と連携するために動きたいと思っています。